なんで? 命令するような同期の口調にカチンときて

昨日、コウちゃんは私の髪を見て、
「すっきりしていいね」と言ってくれた。
それに美容院の帰りにはナンパまでされた。
髪を結べなくなったことで、
朝、ちゃんとセットしなくちゃいけなくなったけど。
それでも私自身、このショートヘアを気に入っている。
だから、明莉さんの反応が否定的でも傷つかない。
自分で自分を肯定できれば、自分に自信があれば、
心は穏やかでいられるものなのだろう。

心の平穏が破られたのは、翌々日のことだった。
明莉さんの照明案が通って、第2フェーズに進むことになった。
「具体的な素材の選定やコスト計算が必要だから、
資料を集めるのを手伝ってほしいの」
サポートを命じられている私に、断る選択肢はない。
明莉さんがあげた素材候補のリストをもとに、
取り扱い業者のリストをつくり、
ついでに素材の長所と欠点の資料も添えておいた。
「ありがとう。じゃあ、各業者に見積もり手配しておいて」

その口調にカチンときた。
上司が部下に命令するようなニュアンスが感じられたからだ。
確かにプロジェクトではサポート役だけど、
私たちは同期で上下関係はない。
それどころか、マーケティングの経験でいえば
私のほうが先輩だ。
「明莉さん、ちょっといいかな」
いらだちをできるだけ隠し、私は明莉さんに言った。

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